今回は文庫書き下ろし2作を紹介する。  佐藤究さんの『トライロバレット』(講談社文庫)は、言ってしまえばアメリカの病理を描き出したということになろうか。しかし、それを超えて不可思議なファンタジーの域までもっていったことで、物語に普遍性が生まれた。